導入事例
有限会社大栄運送様

運送事業の旧弊を打破し、未来を拓く。データドリブン経営への改革

有限会社大栄運送

所在地:千葉県船橋市
主な荷物:飲料・化学製品・一般雑貨・紙製品・インバウンド旅行手荷物など
車両台数:25台
ロジックス利用機能:配車、請求、車両管理、原価管理、経営見える化

本記事のサマリー

債務超過と旧態依然とした経営に危機感を抱き、現状打破のため運送管理システム「ロジックス」を導入しました。単なる効率化に留まらず、データドリブン経営への転換と意識改革を断行。本記事では、山本代表への取材を通じ、どんぶり勘定からの脱却と事業の三本柱で描く未来、変革の軌跡を詳しく紹介します。

有限会社大栄運送のご紹介

1971年に千葉県船橋市を拠点に創業。当初はメーカー物流を中心とした運送事業を運営していましたが、時代の流れに合わせてトラベル事業やコンサルティング事業など、多角的な展開を図り独自の競争優位性を構築しています 。

導入前の課題

特定の荷主への依存と、旧態依然とした収支管理。債務超過で存続の危機に

ー 「ロジックス」導入前に抱えていた課題について教えてください。

山本さん(代表): もともと当社は、特定のメーカーの物流を担う、いわゆるメーカー物流が事業の柱でした。
しかし、その事業形態に限界を感じ、スポット便を中心とした事業へ大きく舵を切ることを決断したのが、改革の始まりです。当時はトラック8台で運営していましたが、一度すべてをリセットする覚悟で3台まで減車し、まさにゼロからの再出発でした。

ただ、長年染み付いた仕事のやり方というのは、そう簡単には変わりません。実は、大栄運送は私の家内から引き継いだ家業です。家内は現在も取締役会長として会社を支えており、だからこそ、単なる雇われ社長としてではなく、夫婦で共に家族の歴史と責任を背負ってこの会社を立て直さなければならないという強い覚悟がありました。

しかし、社内には良くも悪くも「旧態依然」としたやり方が根付いており、特に収支管理に関しては、どんぶり勘定と言わざるを得ない状況でした。会社全体の利益は会計士さんが出してくれますが、それはあくまで結果論。一台一台の運行が、あるいは取引先ごとで、本当に儲かっているのかどうか。その実態をリアルタイムで把握する術がなかったのです。

ー 正しいデータをもとに、収支を管理する仕組みに課題をお持ちだったんですね。

山本さん:これは、おそらく車両台数が50台に満たない多くの中小規模の運送会社さんに共通する悩みではないでしょうか。経営者自身も、肌感覚では分かっていても、それを具体的な数字で説明できない。私自身、前職では近畿日本ツーリストの代表取締役専務を務めており、そこでは経営企画のような専門部署がすべて分析してくれた数字を見る立場にありました。しかし、大栄運送のような中小企業では、経営者自らが数字を掴みにいかなければなりません。

そのリアルな厳しさと、データに基づいた経営管理の必要性を痛感していました。
さらに深刻だったのは、会社が債務超過の状態にあったことです。過去からの負の遺産を引きずっており、財務状況を根本的に改善しなければ、会社の存続そのものが危うい。そのためには、日々の運行から確実に利益を生み出す体制を構築することが急務でした。

仕事の仕組みを根本から変え、シビアに数字と向き合う。そのための武器が必要だったのです。

導入の決め手

「単なるツール導入ではなく、会社の改革を目指す」熱意に共感

ー 様々なシステムがある中で、なぜロジックスを選ばれたのでしょうか?

山本さん: ロジックスを知ったのは、アセンドさんが開催していたセミナーがきっかけです。「運行データを基にした、さまざまなグラフ分析」がとても印象的で、この分析を使えば、どんぶり勘定から脱却し、1台ごとの収支を可視化できると直感しました。

ロジックス以外の選択肢は、ほぼ考えていませんでした。というのも、我々は単に「便利なツール」を求めていたのではなく、「会社の改革」という大目標を目指していたからです。

そのために、表面的な機能がどうかよりも、目指す方向に共感し、伴走してくれるパートナーが必要だと感じていました。その点で、アセンドさんがセミナーで語っていた「データ分析を、もっと多くの運送会社に実践して改革していってほしい」という熱意は、我々の想いと強く共鳴するものでした

ー 熱意に共感できたとのこと、弊社としても大変嬉しいです。ロジックス導入は、スムーズに進みましたか?

山本さん: お世辞にもスムーズではありませんでした。というのも、300万円を超える投資は我々にとって小さな額ではなく、IT導入補助金を活用する必要があったからです。

でも、アセンドの担当者の方が親身にサポートいただいたこともあり、補助金の申請は無事に採択され、投資負担を半分近くに抑えることができました。申請手続きに関する事務処理は結構煩雑でしたので、サポートがなければ採択も難しかったかもしれません。

ー 導入にあたって、配車担当やドライバーの方々の反応はいかがでしたか?

山本さん: 当初は大変でした(笑)。慣れ親しんだやり方を変えることへの抵抗は、想像以上に大きかったです。何を提案しても、まず返ってくるのは「なんでそんなことをする必要があるんだ?」という言葉。そこから根気強く説明と対話を続けていきました。

ー 真摯な態度で対話を続けるのは、実際のシステム運用以上に重要なものだと思います。

山本さん: 幸運だったのは、ちょうどそのタイミングで弊社の笠原取締役社長(当時は常務取締役として他社から転職)が入社したことです。笠原は外部から来た新参者であり、この会社の古いやり方についてはある意味「何も知らない素人」でした。

だからこそ、先入観なくロジックスの仕組みを素直に受け入れられた。もし既存の社員だけで進めようとしていたら、もっと大きな摩擦が生まれていたかもしれません。

笠原が現場の社員に対して心がけてきたのは、「背中を見せる」ということです。特に、笠原より年上のベテラン社員もいる中で、後から入ってきた人間があれこれ言っても、素直には受け入れられません。

だから、まずは笠原自身がお客様との電話対応や業務の進め方で模範を示すことを徹底しました。これまで当たり前だったかもしれない乱暴な言葉遣いをなくし、丁寧な対応を積み重ねていく。そうした笠原の姿を見て、現場の社員たち自身が「自分たちのやり方は、もしかしたら間違っていたのかもしれない」と、少しずつ感じ取ってくれたのだと思います。

人は、他人から指摘されて変わるのではなく、自ら気づいて変わるものです。幸い、もともといた配車担当の社員は、前職でも年下の部下をマネジメントした経験があったようで、笠原のやり方を理解し、今では素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれています。実務の現場で日々システムを活用し、改善を重ねてくれている笠原の貢献は非常に大きく、その実績も評価され、昨年から取締役社長へと昇格しました。

笠原が現場の声を拾い上げ、システムを実務に落とし込むための努力を続けてくれているからこそ、改革が前に進んでいます。

ー 笠原さんのご活躍もあり、ロジックスの運用が進んだんですね。

山本さん: 一時は、あまりの反発に「配車担当の社員に辞められてしまうかもしれない」と覚悟しました。しかし、会社の売上という具体的な数字に変化があり、自身の給与にも反映されることで、反発していた社員たちも、自ら新規の仕事を取ってくるほど意欲的になっています。

システム導入は、単なる業務プロセス変更ではなく、人の意識や文化を変えるきっかけにもなるのだと実感しました

導入後の効果・活用状況

リアルタイムで見える化した収支がもたらした「荷主との健全なパートナーシップ」と「経営の安心感」

ー ロジックス導入の具体的な効果について教えてください。

山本さん: 最も大きな効果は、1台1台の運行収支が、リアルタイムで見えるようになったことです。これは、まさに目から鱗の体験でした。
以前は、「どの仕事が儲かっていて、どの仕事がそうでないのか」正確にはわかっていませんでした。

しかし、ロジックスで日々の運行を入力していくと、それぞれの粗利が明確に数字で示されます。これにより、「この取引先は単価交渉が必要だ」「このルートは効率が悪い」といった経営判断が、根拠を持って迅速に下せるようになりました。

以前は付き合いで受けていた儲からない仕事も、データを示すことで取引先にご納得いただき、単価を改善するといった提案ができるようになりました。これは、単なる値上げ要求ではなく、健全なパートナーシップを築くための対話のきっかけにもなっています。

ー 運行ごとの収支が可視化されることで、運賃交渉の材料も揃うようになったんですね。

山本さん: 経営の安心感も格段に増しました。特に大きかったのは、キャッシュフローの改善です。以前は、入金サイクルが長い取引が多く、常に資金繰りに追われる「自転車操業」に近い状態でした。

しかし、ロジックスで収支を管理し、利益率の高い仕事を意識的に増やすことで、会社のキャッシュは着実に厚くなりました。
今では、おかげさまで自転車操業からは完全に脱却できています。毎月ヒリヒリするような状況だったのが、嘘のようです。

この「安心感」は、社員のマネジメントにも良い影響を与えています。以前は、マイナスをどう埋めるかということばかりに頭を悩ませ、日々の業務にアップアップしていました。しかし今は、会社の経営基盤が安定したことで、より前向きな次のステップ、例えば新規事業の展開などに思考を巡らせる余裕が生まれました。

ー データの可視化を通じ、思考にも余裕が生まれたんですね。

山本さん: 現場の社員も同様です。配車担当者には、会社全体の売上目標だけでなく、ドライバー一人ひとりの売上目標も設定させ、その達成度をロジックスのデータで見せています。数字という共通言語ができたことで、彼らのマネジメント意識も高まり、自律的に動ける組織に変わりつつあります。こうした変化は、会社の業績にも明確に表れており、導入後、売上は着実に伸び続けています。

さらに、経営分析や経営戦略立案において、月次分析が大変役立っています。 毎月のデータを俯瞰することで、季節変動や顧客ごとのトレンドを正確に把握でき、次の一手を打つための強力な武器となっています。これは、単なる過去の振り返りではなく、未来の利益を創出するためのプロアクティブな経営管理へと進化している証左です。

今後の展望

蓄積されたデータで、より高度な経営分析を

ー 今後の展望についてもお聞かせください。

山本さん: 正直、まだロジックスを100%使いこなせているとは言えません。日々の業務に追われ、現状ではレポートで大きな数字の流れを把握するのに留まっています。現場にいる肌感覚と、システムが示す数字がだいたい一致しているな、という確認が中心です。DX ツールを使いこなしていると自負されている経営者の方ほど、「まだまだ使いこなせていない」とおっしゃると聞きますが、まさにその心境です。

しかし、これはゴールではなく、あくまでスタート地点だと考えています。次のフェーズとして、ロジックスに蓄積されたデータを、より高度な経営分析に活用していきたいと考えています。

ー ロジックスのアップデートはもちろん、引き続きご支援させていただきます。

山本さん: 具体的に期待しているのは、AIとの連携です。例えば、GoogleのGeminiのような生成AIに、ロジックスからアウトプットした運行データや、会計システムの試算表データを読み込ませれば、これまで人間では気づかなかったようなインサイトを得られるのではないかと考えています。

データを取り込むだけで、自社の強み・弱みを分析し、中長期的な経営戦略まで提案してくれる。そんな時代がもう目の前に来ています。
我々のような中小企業にとって、専門の経営コンサルタントを雇うのは簡単ではありません。しかし、AIという強力な「参謀」を得ることで、データに基づいた客観的な視点から自社を分析し、次の打ち手を考えることができるようになります。

ロジックスが日々の運行データを正確に蓄積してくれるからこそ、そうした未来の活用法が現実味を帯びてきます。ルーティン業務の効率化に留まらず、経営者の意思決定をサポートする戦略的なツールとして、さらに活用を深めていきたいですね。アセンドさんには、そうした我々の次なる挑戦をサポートしてくれるような、AI連携機能の開発にも大いに期待しています。

ロジックスを検討中の方へ

感覚+数字に基づいた経営判断のための先行投資

ー 最後に、かつての貴社のような、経営に課題を抱える中小規模の運送事業者様へメッセージをお願いします。

山本さん: 「気合いと根性で乗り切る」という時代は、もう終わったのだと思います。特に、我々のような中小企業こそ、感覚だけに頼るのではなく、数字という客観的な事実に基づいて経営判断を下していく必要があります。

とはいえ、現実問題として、我々のような20台規模の会社が、300万円以上もするような本格的な管理システムに投資するのは、非常に勇気がいる決断だと思います。私も、周りの同業者から「よく投資したね」と驚かれます。それだけ、多くの方が「必要だとは分かっているけれど、そこまでは…」と考えているのが実情なのでしょう。

しかし、「その投資が会社の未来を変える力になる」と私は断言できます。我々自身、まだロジックスを完全に使いこなせていませんが、このシステムを導入し、数字と向き合う文化を根付かせようと努力してきたこと自体が、会社の体質を大きく変えました。もし、この投資をしていなければ、今も自転車操業を続け、日々の資金繰りに追われる毎日だったかもしれません。

先行者利益、という言葉があります。多くの人が躊躇している今だからこそ、一歩踏み出すことに大きな価値があるのではないでしょうか。AI をはじめとする新しいテクノロジーは、日進月歩で進化しています。こうしたツールを積極的に活用できるかどうかで、5年後、10年後の会社の姿はまったく違うものになるはずです。

我々の挑戦が、同じように悩み、改革を目指すすべての運送事業者様にとって、少しでも勇気やヒントとなれば、これほど嬉しいことはありません。

今後の事業運営方針

運送×旅行。時流を味方に、独自の強みを伸ばして未来を切り拓く

ー 貴社では運送事業だけでなく、トラベル事業というユニークな新規事業も展開されています。各事業の関連性や、展望について教えてください。

山本さん: トラベル事業を始めたのは、赤字状態だった運送事業のマイナスを補填するためでしたが、今ではその位置づけは大きく変わり、運送事業を成長させるための強力な「営業ツール」として機能しています。

私たちは「D.T.I.ツアーズ」という旅行会社を経営し、旅行代理店業を行っています。私の前職である近畿日本ツーリストでの経験やネットワークも活かし、JTBや阪急交通社といったインバウンドに強い大手旅行会社のパンフレットを取り扱い、代理店として商品を販売することができます。

旅行業界における長年の知見と信頼関係があるからこそ、「インバウンド客の荷物を空港からホテルまで運んでほしい」といった、旅行手荷物輸送の仕事が舞い込んでくるようになりました。旅行事業が、これまで接点のなかった優良な荷主と我々を結びつけるハブになっているのです。

現在、弊社は「運送事業」「旅行手荷物輸送事業」「旅行事業」の三本柱で経営しています。この3つがバラバラに存在するのではなく、互いに連携し、シナジーを生み出しているのが強みです。重要なのは「いかに効率よく荷物を運ぶか」「いかに既存の荷主から仕事をもらうか」という垂直的な思考に陥らずに、複数の事業を関連させ効果を最大化するという考え方です。

我々は一見無関係に見える「旅行代理店」と「運送」を掛け合わせることで、「旅行者の手荷物輸送」という新たな価値、新たな市場を創出することができました。これは、既存の枠組みにとらわれなかったがゆえに生まれたブレイクスルーであり、とてつもないポテンシャルを感じています。コロナ禍でトラベル事業部の売上はゼロになりましたが、そこからわずか3年で数億円にまで回復しました。

これは、まさにスタートアップ企業のような急成長ですが、インバウンドという巨大なマーケットの、ほんの1%程度にしかアプローチできていません。政府は、訪日外国人旅行者数を現在の3000万人規模から、将来的には6000万人まで増やすという目標を掲げており、我々にとっては大きな追い風です。

運送会社が海外に目を向けるなんて、一昔前は考えられなかったかもしれませんが、運送事業という安定した基盤があるからこそ、旅行事業という成長分野に積極的に投資できる。そして、旅行事業で得たネットワークが、旅行手荷物輸送事業という新たな柱を育ててくれる。この三本柱を回していくことで、会社をさらに大きく成長させていきたいと考えています。

ここから5年が、我々にとって本当の勝負です。

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