導入事例
有磯運輸株式会社様

「ミスは仕組みで防ぐ」配車・請求の一気通貫が、現場の心理的安全性とファクト経営を両立

有磯運輸株式会社

所在地:富山県氷見市
主な荷物:建材・紙パルプ・機械部品資材など
車両台数:25台
ロジックス利用機能: 配車、請求、経営見える化 

 

本記事のサマリー

元銀行のシステム職もご経験の青野代表が家業に戻り、直面したのはアナログな「職人芸」の現場。ロジックス導入で請求業務時間を3分の2に削減し、データに基づく「ファクト経営」を実現。仲間を守る「心理的安全性」と地域を支えるDXの未来を語ります。 

有磯運輸株式会社のご紹介

1967年に富山県氷見市で創業して以来、建材や紙パルプなど地域の産業を支える重要物品の輸送を担ってきました。当社は「人に優しい物流は、強い。」を掲げ、怒鳴らない・萎縮させない「心理的安全性」を最優先にした組織づくりが強みです。現在は実運送にDXを活用し、中小企業向けの運送関連商社という新たな事業展開を進めています。「中部地区No.1の運送関連商社」となり、地域に持続的な雇用と繁栄を目標に掲げています。 

ご担当者様の経歴

地方銀行から家業の運送会社へ。古参経理の退職を機にバックオフィスを統括

ー 青野さんのこれまでのご経歴を教えてください。

青野さん(代表): 前職は地方銀行に約25年間勤務していました。営業の現場だけでなく、企画部門では商品企画や現場支援、システム部門では管理職として基幹システムの更改プロジェクトなどを主導してきました。

有磯運輸に入社したのは2025年6月です。代表取締役を務める実父が入院し、復帰後も体調が優れなかったことから、父に「戻ってきてほしい」と頼まれたことがきっかけでした。

たまたま前職で私が担当していた大きなプロジェクトの終わりが見えていたこともあり、辞めても周りに迷惑をかけないタイミングだなと思い、入社を決めました。

ー 異業種からの転職、最初はどのような業務からスタートされたのですか?

青野さん:ちょうど古参の経理担当者が退職するタイミングだったため、まずはその経理業務を引き継ぐところからスタートしました。うちは決して大きくはない会社ですので、いわゆる配車以外の仕事、バックオフィス業務全般は私が中心となって幅広く引き継ぎ、現在は社内の体制強化を進めています。

導入前の課題

老朽化したオンプレシステムと、改善を阻む「職人芸」の壁

ー ロジックス導入前、具体的にどのような課題を感じていましたか?

青野さん:実務経験ゼロで入社した際、配車や運行管理に残る「アナログな属人化」に強い危機感を抱きました。当時は配車係がすべての業務を1人で、しかも手書きで行っていたんです。

完全に閉じた世界で業務が進行していたため、情報のブラックボックス化が深刻で、他部署から見ると「今、誰が何をどこでやっているのか」が全く分からない状況でした。私自身、車がどこに行っているのかすら把握できませんでした。

さらに、社内で動いていた唯一の基幹システムが「Windows XP」のまま動くスタンドアロン機だったため、社内情報共有のネックになっていました。事業継続性の観点からも、早急なリプレイスが急務だったんです。

ー システムがありながら、アナログな作業が残っていたのですね。

青野さん:そうなんです。請求業務についても、手書きの日報からデータを起こすのですが、日報以外の情報も必要なため、その都度配車担当者特有の独自のシートやルールに依存し、確認に走る必要がありました。

十分な引き継ぎもない中で、前例踏襲で複雑な手続きを続けている状態でした。 また、配車データはドライバーの給与(手当)テーブルにも直結しています。行き先や荷物によって手当が変わるのですが、この記録も数十年来の慣習的なルールや個人の裁量に基づく運用になっており、すべて紙管理でした。

紙を手探りで調べるため、検索性が非常に乏しく、毎月末には「この請求で合っているか」という組織的にも良くないコミュニケーションが毎回発生していました。常に請求漏れや給与の支払い漏れという重大なリスクと隣り合わせで、いつか大きなミス(ヒヤリハット)が起きるのではないかと本当に怖かったですね。

前職でのリスク管理経験から、「安全やミス防止は個人の気合(根性論)では絶対に防げない。ITによる仕組み化が急務だ」と痛感していました。

導入の決め手

「配車から請求を一気通貫で繋ぐ」思想への共感と、将来を託せるデータ基盤

ー 選定にあたっては、どのような点を重視されましたか?

青野さん:元システム管理職の視点から、現場を萎縮させない「直感的なUI」と、将来の3PL展開を見据えた「データ管理力」を重視しました。中小企業が個別にシステムを構築するのは金銭的にも人材的にも難しいですが、ただ複数のパッケージシステムを導入するだけでは、データ転記の手間が残る。

配送データを1つのデータベースに集約できる仕組みを探していました。ロジックスを見た時、これならデータが綺麗に収まりそうだと直感しましたし、当社の最終ゴールである「運送関連商社への進化」を支えるデータ基盤になると確信しました。


ー 他社と比較した時、決定打となったポイントはどこでしょうか?

青野さん:アセンド社の「思想」への共感です。代表の日下さんが語る、データを1つのDBに蓄積して自由度高く処理させるという思想は、既存の請求書発行システムには絶対にないものでした。

例えば、他社のシステムは、単に「綺麗に請求書を作ること」だけが目的になっていて、他業務との連携が非常に難しかったんです。 実は検討当初、私は「請求データさえ効率的に作れればいい」と考えていたのですが、担当の清水さんから「すべての起点は配車や受注。そこから請求データまでを一気通貫で繋ぐからロジックスは強いんです」と熱く言われ、ハッとさせられました。

当時、そこまで言い切っていたのはアセンドだけでしたね。クラウドだからこそ、時代の要請や法対応にスピード感を持ってアップデートされる先進性も魅力でした。
 

導入後の効果・活用状況

請求業務時間を約2/3に削減。データに基づくファクトベースの経営へシフト

ー 現在はどのようにロジックスを活用していますか?

青野さん
:運行管理の見える化をベースに、配車から請求業務、データ分析までを一貫して実施できる「安心・安全の仕組み」の核として運用しています。
まずは点呼システムを導入して労務データを取得し、そこにロジックスの配車データを連動させる形で全体最適を進めています。


ー 具体的にどの程度の効果がありましたか?

青野さん:ざっくりとしたイメージですが、毎月の請求業務にかかる時間が、従来の約3分の2程度にまで削減できました。手書き日報の確認や手打ちの作業から解放され、手入力によるミスも起こりにくくなっています。

ただ、単に人員や時間を減らすことが目的ではありません。浮いた時間で「経営判断に必要なデータを蓄積し、分析する」という新しい付加価値のある業務に時間を回せるようになりました。

実際、 経営判断の面でも大きな変化がありました。銀行時代の経験から、あらゆる動きがデータ化されている重要性を知っていたのですが、前職を退職する際、一番尊敬する上司から「ファクト(事実)で物事を語らないとダメだ」と送る言葉をもらったんです。

まさにそれが今、実現できています。売上データがビジュアライズされたことで今期の着地予測が非常に立てやすくなりました。また、直感的に利益が出ているか怪しいと感じていた仕事が、数値を元に「やっぱり低採算だった」とファクトベースで判明し、収益性の高い仕事になるよう、改善活動を行ったり、不採算なルートを出来るだけ最適化するといった、ブレない経営判断に繋がっています。

今後の展望

現場の課題を「言語化」し、将来は地域全体のDX支援事業を共創したい

ー 今後、さらに使いこなしていきたい機能や、アセンド社への期待はありますか?

青野さん: アセンドさんはシステムを入れて終わりではなく、経営コンサルタントのような視点から深く永続的に伴走してくれる点を高く評価しています。清水さんに見せていただいたアセンドさんの「ロジックスの活用ナレッジ共有サイト」のように、ノウハウを仕組み化して集約する姿勢は素晴らしいですね。 

一方で現場の意図を汲み取りきらないまま、実態に即さない、理論的な回答をしてしまわないかは陰ながら懸念しています。もちろん、私たち有磯運輸側が、現場の泥臭い課題をより明確に「言語化」して伝えていく双方向で協力するパートナーシップが必要だと考えています。

ー 最終的にはどのような状態を目指されていますか?

青野さん: 今後はAIの普及も含め、いかに「元データ」を一箇所に綺麗に抑えているかが企業の生存戦略になります。

ロジックスには、あれもこれもと余計な機能(デジタコなど)を自社で抱え込むのではなく、むしろ外部の優秀な専門ソリューションと連携しやすい「コアな強み」をどんどん尖らせていってほしいですね。

私たちが現場の課題を言語化し、アセンドさんがそれを最先端のソリューションへと昇華させる。このやり取りを通じてシステムを磨き上げ、将来的に地域全体のDX支援事業をアセンドさんと共創していきたいです。

ロジックスを検討中の方へ

DXの本質は「仲間を守る」ため。プレッシャーのない心理的安全性を

ー 導入を検討している同業他社の方へ、アドバイスをお願いします。

青野さん:  私は、日本のITにありがちな「コスト削減やスピードアップのためだけの効率化」には興味がありません。ITは「人間を幸せにするため」にあると思っています。

DXの本質は、人を監視するためではなく、大切な仲間を守り「現場の価値を高める」ためにあります。 うちの会社に新しい事務員さんが入ってきた際、システム化を急いだ背景には「お金を扱うプレッシャーを与えたくない」という想いがありました。前職の銀行では、パートの方々まで1円のズレにピリピリして仕事をしていました。そんなギスギスした雰囲気にはしたくなかったんです。

「間違えたとしたら、あなたが悪いんじゃない。仕組みが悪いんだ。責任は経営者である私が持つ」と言える環境を作ること。それこそが、当社の掲げる怒鳴らない・萎縮させない「心理的安全性」に繋がります。「仕組みはめちゃくちゃだけど、みんないい人だから根性論で持っている」という古い組織論からはもう脱却すべきです。

アセンドさんは単なるシステムベンダーではなく、企業の未来を共に創る「最高の伴走者」になってくれますよ。

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