
所在地: 北海道旭川市
主な荷物: 引っ越し、ピアノ・重量物、除雪、産業廃棄物
車両台数: 75台
ロジックス利用機能: 配車、労務管理、車両管理、経営見える化
本記事のサマリー
M&Aを重ねて成長を続ける同社が、深刻化する人手不足と旧態依然としたアナログ管理からの脱却を目指し、運行管理システム「ロジックス」を導入。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。一度は見送られたシステム導入が、3年の時を経てなぜ実現に至ったのか。導入を牽引した湯野専務取締役と、DX推進担当の中島さんのお二人に、導入の背景から具体的な効果、そして今後の展望までを詳しく伺いました。
旭川小型運輸株式会社のご紹介
北海道旭川市を拠点に、一般貨物輸送から産業廃棄物収集運搬、タイヤ販売・整備まで幅広く手掛ける総合物流企業グループの中核を担う同社。創業者の祖父、M&Aで事業を拡大した父の跡を継ぐ若き湯野専務取締役が中心となり、業界の課題である人手不足や働き方改革に真正面から取り組まれています。
ご担当者様の経歴

—湯野さんのご経歴を伺えますでしょうか。
湯野さん(専務): 今の会社の代表は私の父で、私も「いずれは戻ってこい」と言われていました。大学進学後、上京し、卒業後は全く違う業種のタバコメーカーに就職して、7年間ほど営業として勤務しました。そして2016年に旭川へUターンしています。
ただ、最初からこの運送会社本体に入ったわけではなく、タイヤの販売や整備を行う子会社にまず入社しました。そこでは営業ではなく、作業着を着てタイヤ交換をしながら製品知識を学び、並行して経営管理にも携わるという形で、3年ほど経営の基礎を学びました。そして4年前に、この旭川小型運輸に入り、本格的に運送業に携わることになりました。
—異業種から家業に戻られる際、抵抗感のようなものはありましたか?
湯野さん:正直、抵抗はありました。前の職場は待遇も安定していましたし、自分なりに実績を積んできた自負もありました。ただ、創業者が祖父ということもあり、幼少期から祖父や父の背中を見て育った中で、「甘えたことばかり言っていられないな」という気持ちも常にありました。父から「そろそろ」と声がかかったのが、最終的なきっかけです。
運送業の家に生まれたのはある種の宿命ですし、自分が経営者になる道が用意されているのは、考えようによっては非常に貴重な機会です。サラリーマンを続けるよりも自己成長に繋がるのではないか、と前向きに捉えて決断しました。
—御社は旭川地域では古くから規模の大きな会社というイメージがありますが、M&Aによって成長されてきた歴史があるのですね
湯野さん: そうなんです。私が子供の頃は、今ほど多くの子会社があるという認識はありませんでした。今の社長である父がM&Aで会社を大きくしてきた経緯があり、私が戻ってきてからも4社のM&Aを行っています。
今でこそM&Aは一般的になりましたが、当時はまだその言葉自体が珍しい時代。そういう意味では、弊社はかなり先駆けだったのかもしれません。
—湯野さんが入社されてから、ロジックスにご興味を持っていただくまでの間は、どのような課題意識をお持ちでしたか?
湯野さん:会社の業務フロー整備や売上管理などを担当する中で、色々な部分に違和感を覚えました。前職が上場企業だったこともあり、あらゆる業務がアナログであると感じたのです。
また、これは業界全体の課題ですが、従業員の働き方についても、もっと働きやすい環境を整備する必要があるのではないかと漠然と考えていました。
そんな時に、アセンドの社長とお話しする機会をいただき、弊社の課題を解決できるかもしれないと感じました。
—以前にも「働き方改革を進めたい」と熱く語られていたのが非常に印象的でした。残業を減らし、早く帰ることを推奨されていると伺っています。
湯野さん: 私がサラリーマンだった頃から、オンとオフははっきりさせたいという考えでした。「残業すればするほど偉い」「上司より先に帰れない」といった旧来の風潮には疑問を感じていました。
本来、人は自分の暮らしや家族との時間を豊かにするために働いているはずです。だから、早く帰れる時は帰って、プライベートを大切にしてほしい。
その一方で、会社も成長しなければならないので、頑張るべき時には集中して頑張ってもらう。そのメリハリをつけられる会社を目指したい。
そのためには、「何のために残業しているのか?この残業は本当に必要なのか?」ということを、従業員一人ひとりが意識する仕組みが必要だと考えています。
—中島さんは銀行のご出身と伺っています。どのような経緯で入社されたのでしょうか。
中島さん(DX推進担当):大学を卒業後、約8年間銀行員として勤務しました。このまま銀行員を続けていくのは自分には合わないなと感じていたタイミングで、湯野専務にお話をいただき、2年半前に入社しました。
湯野さん:もともと弊社の役員の一人が銀行出身で、彼(中島さん)の元上司だったんです。その役員から「今、若くて非常に優秀な人材がいる」と紹介を受け、実際に会ってみて「彼なら大丈夫だ」と直感しました。
—運送会社で30代前半の方がDX推進の中心を担われているのは、本当に稀なケースです。
湯野さん:それも、私の将来に対する危機感の表れです。20年後、この会社はどうなっているだろうか、と。今の従業員の年齢構成を考えると、少し恐ろしくなる時があります。
だからこそ、自分がまだ動けるうちに、一緒に会社を変えていける若い仲間が必要だと考えました。採用の際も格好つけず、「うちはこんなに良い会社だよ」と言うのではなく、「こういう厳しい部分もあるし、課題も山積みだ。そこを一緒に変えていってほしい」と、正直に話すようにしています。
中島さん:そうですね。現実をかなり率直に話してくれたので、逆に安心感を覚えました。入社してみると、改善できる点がたくさんあり、すぐにでも進められそうだという印象が強かったです。湯野専務が常にアンテナを張って、従業員満足度や効率化を考えてくれているので、私も非常に動きやすく、意思決定のスピードも驚くほど速いですね。

—3年前に初めて弊社にご連絡をいただきました。当時の弊社の印象はいかがでしたか?
湯野さん: 鮮明に覚えています。日下社長にお会いして、「スーパーキャリアの持ち主だな」と。私の知る運送業界の経営者というと、ドライバーとして現場経験を積まれた方が多く、人情味にあふれ、現場を大切にする実直な方というイメージ。
しかし日下社長は、非常にスマートな視点で物流を分析されており、周りにいないタイプの方だったので、とても新鮮で面白いという印象を受けました。
社員の方々にもお会いして、「この会社は間違いなく成長するだろう」と感じました。
—ありがとうございます。3年前、まさにこの場所で製品デモをさせていただいたのですが、残念ながらその時は導入には至りませんでした。
湯野さん:そうでしたね。
—今だからこそ導入を見送られた背景と、今回導入を決断いただけた理由について、お聞かせいただけますでしょうか。
湯野さん: あの時は正直、「現実を鮮明に見せられた」という感覚でした。私自身、実際に業務を行っている現場の人間が、ここまで変化に対して壁を作ってしまうものなのかと、ある意味で勉強になりました。ですから、あの時はあえて私の意見は強く言わず、皆の意見を尊重して、いったん見送るという決断をしたのです。
—現場の皆様の反応が、それほど強かったということでしょうか。
湯野さん:経理、営業、配車のメンバーを集めたのですが、全員から「これはできない」「うちの業務は複雑なので難しい」との反応でした。長年続けてきたやり方を変えるというのは、こちらの想像をはるかに超える抵抗感があるのだと痛感しました。
—1度は完全に見送る形になりましたが、そこからどのようにして、今回の導入へと繋がったのでしょうか。
湯野さん:デモから数ヶ月が経ち、私がさらに会社の細かい部分まで業務を見るようになっていきました。全体会議などを通して、現場が抱える個別の課題を耳にする機会が増えるうちに、だんだんと「あの時見たロジックスの利点」と「うちが抱えている課題」が、頭の中で少しずつ結びついていったのです。
例えば「あのケアレスミスはロジックスなら防げたな」とか、「この情報の共有漏れは、システムがあれば起きなかったな」とか。その点を一つひとつ、皆に説明して課題を可視化し、「ロジックスは、今まさに我々が困っているこの問題を解決できるツールなんだ」ということを、粘り強く伝え続けました。
—なるほど。そして、そのプロセスを強力に後押ししたのが、中島さんの存在だったのですね。
湯野さん:彼の存在は非常に大きいです。やはり一人ではできないことも、二人、三人いれば推進力が全く違います。私と同じような課題意識を持つ仲間を少しずつ増やしていかなければ、せっかく良いシステムを導入しても定着しないと感じていました。

—3年越しで導入を決断されたロジックスですが、元々どのような課題があり、導入の決め手となったのはどういった点だったのでしょうか。
湯野さん:課題は複数ありましたが、大きくは3つです。
一つ目は「属人化した配車」です。経営者の目線からすると、配車業務は完全にブラックボックスになっていました。配車担当者が「これ以上はもう車両を動かせません」と言っている一方で、営業担当は多くの案件を抱えている、という状況が実際にありました。これは会社として、とてつもない機会損失だと感じていました。配車状況を全社で共有し、可視化するという点で、ロジックスは非常に魅力的でした。
—配車のブラックボックス化は、多くの運送会社様が抱える根深い課題ですね。
湯野さん:二つ目は、アナログな管理によるケアレスミスです。例えば、車両の3ヶ月点検などを、担当者がうっかりExcelに記載し忘れるといったヒューマンエラーが散見されました。ロジックスでは車両情報が一元管理され、点検時期なども可視化できるので、人間の小さなミスをテクノロジーで防げる点に期待しました。
そして三つ目が、経営視点での「不採算ルートの可視化」です。私が入社した当初、ルートごとの採算を算出するのが非常に大変でした。複数のExcelデータや手書きの伝票の数字を一つひとつ突き合わせる作業に、膨大な時間がかかっていたのです。これも、ロジックスのダッシュボード機能を活用すれば、一つのツールで分析まで完結できるのではないか、というのが導入の大きな決め手になりました。
—配車、車両管理、経営分析という3つの軸があったのですね。運行状況が可視化されるようになって、経営としてはどのような感覚の変化がありましたか?
湯野さん:一日の業務の始まりに、配車状況をリアルタイムで確認できるようになったのが大きいですね。画面を見れば、「この車両は午前中空いているけれど、午後の予定はどうなっているんだろう?」といったことにすぐに気づける。会社の状況を肌感覚ではなく、データでリアルタイムに把握できる。これは精神的にも大きな変化です。
現場から「ドライバーが足りない」「車両が足りない」という声は常に上がってきます。しかし、「では、具体的にどれくらい足りないのか?」ということを判断するための客観的なデータとしてロジックスがあるのとないのとでは、私の納得感が全く違います。最終的に経営判断を下す我々が、データに基づいて納得できるかどうか。この差は非常に大きいと感じています。

—中島さんは、DX推進担当として、普段どのようにロジックスをご活用されていますか?
中島さん:メインの配車担当者が日々の配車情報を入力してくれているので、私はそれ以外の部分、主に入力後の漏れやミスのチェックを担当しています。「この情報はAさんは知っているけど、Bさんは知らない」といった情報格差が事故に繋がらないよう、ダブルチェックするのが主な役割です。車両のダブルブッキングが起きていないかなども、常に確認しています。
— システムに慣れる人とそうでない人がいる中で、推進役としてご苦労も多いのではないでしょうか。
中島さん:湯野専務の話にもあった通り、今までのやり方を変えることへの抵抗は決して小さくありません。頭では「便利そうだ」と思っていても、体がついてこない。そこに関しては、ついていけない人の歩幅に合わせて、少しずつ前に進めていくことを常に意識しています。最初に駆け足で進めようとした時は、やはり反発もありましたので、今は慎重に進めるようにしています。
—現場の方々の反応に、何か変化は見られますか?
中島さん:入力担当者も、ようやく入力作業が定着してきて、その便利さが分かってきた頃だと思います。会話の中にも変化が見られて、以前はとりあえず案件を受けてしまってから「さあ、どうしようか…」となっていたのが、今はロジックスの配車画面を見ながら「この時間帯のこの車両は難しいだろう」「別のルートを提案できないか」と、事前に相談したり考えたりする会話が増えてきました。事故を未然に防ぐ、という意識が醸成されつつあり、一定の効果が出ていると感じます。
湯野さん:当社特有の業務で言えば、産業廃棄物収集運搬業務での効果が大きかったですね。この業務は、営業から配車へ、そして配車からドライバーへの指示が非常に細かいのです。以前は、その指示がExcelと手書きの紙で混在していました。
— 紙とExcelのハイブリッド運用は、情報の更新漏れなど、ミスが起きやすい状況ですね。
湯野さん:まさにその通りで、非常に危険な状態でした。変更があったのに紙を書き換えていない、変更したけど印刷し直していない、といったことが原因で、「知らなかった」「聞いていない」という問題が頻発していました。
ロジックス導入後は、全ての指示を案件メモの「備考欄」に入力するというルールを徹底したのです。その結果、営業担当の業務効率が上がり、情報伝達のミスは一切なくなりました。若干ですが、ペーパーレス化にも繋がっています。
今では、事務所の大型テレビモニターに常にロジックスの配車画面を映し出していて、ドライバーが出勤した際に翌日の予定を自分で確認できるようにしています。システム上の情報を修正すればリアルタイムで全員に共有されるので、「言った・言わない」のトラブルが解消され、情報共有が非常にスムーズになりました。

── 今後、ロジックスに期待する機能や、サポートしてほしい点はありますか?
中島さん:まずは、ヒューマンエラーやケアレスミスをさらに防ぐためのアラート機能ですね。例えば、すでに予定が入っている車両に新たな予定を入れようとしたら警告が出るとか、点検期間中の車両に配車しようとしたらアラートが出るとか。
ロジックスは操作が簡単でサクッと入力できてしまうからこそ、意図せずダブルブッキングが起きてしまうことがあります。特にPC操作に不慣れな従業員のためにも、システム側でミスを教えてくれる機能があると、さらに助かります。
湯野さん:経営の視点から見ると、案件ごとの採算などを分析するダッシュボードの部分が、まだ十分に使いこなせていません。ここがもう少し柔軟に、例えば「1日の車両稼働率」といったデータを細かく抽出・分析できる機能があると、より経営判断に活かせると感じています。
そして何より、現場の皆が使いやすいツールであり続けてほしいですね。直近では物流の2024年問題に関連する法改正もありました。今後も目まぐるしく変わっていくであろう法規制に、迅速に対応していただけることを期待しています。
—貴重なご意見ありがとうございます。開発チームにしっかり共有させていただきます。
我々もそのゴールに向けて全力でサポートさせていただきます。本日は、導入までのご苦労から、具体的な活用方法、そして未来への展望まで、非常に貴重なお話をありがとうございました。

RELATION
CONTACT
ロジックスの詳細について
お気軽にご相談ください
ロジックスのくわしい資料は
こちらから
お電話でのお問い合わせはこちら
平日 10:00~20:00